世界的な英語の試験といえば、TOEICともう一つはTOEFL。TOEFLの中でも、TOEFL ITPは大学の団体受験によく用いられます。
かくいう私も、先日受験してきました。ので、TOEFL ITPって何?という点、TOEFLの特徴、そして受験してきた感想を、皆さんのお役に立つようにまとめました!
TOEFL ITPについて
TOEFL ITPとは?
ホームページはこちら。↓
TOEFL ITPテスト(団体向けTOEFLテスト) | TOEFLテスト日本事務局
まずTOEFLについて。TOEFLとは、ざっくり言うと英語を母語としない人のための海外留学に向けた能力測定試験です。英語圏の国々へ留学するときには一定以上のTOEFLスコアが必要とされます。
TOEFL ITPとは、その中でも団体受験用に作られたテストで、主に「読む」「聞く」能力を計測するものとなっています。あくまで団体受験用のテストなので、TOEFLの公式スコアとしては認定されず、公式にスコアを取得するには、TOEFL iBTを受ける必要があるようです(iBTについては割愛)。
しかし、ITPとiBTのスコアには強い相関性があり、スコアの換算表(ITP→iBT、iBT→ITP)も存在するため、留学のための英語力を測定するのには持って来い。
ITPは受験料が比較的安く、また大学が執り行うものについては大学が料金を支払ってくれることもあります。僕もタダで受けてきました笑。
(参考までに:ITPは3000~5000円程度、iBTは$235=20,000~25,000円必要)。
ITPにはスピーキングやライティングが課されないため、比較的気楽に受けられるのもポイントでしょうか。大学によっては定期的に行い、英語力の指標としているところもあるようです。
TOEFL ITPの形式・特徴
TOEFL ITPにはlevel1とlevel2の二種類存在し、一般的なのがlevel1、より短時間・簡単なのがlevel2となっています。ここではlevel1を紹介。
TOEFL ITP level1は以下の3つのsectionから構成されています。マークシート形式。
・section1・・・リスニング(35分)
短い会話を聞くPART A、長めの会話を聞くPART B、大学で行われる講義を聞くPART Cからなる。50問。
・section2・・・文法問題(25分)
空所補充問題と誤文指摘問題の二つ。40問。
・section3・・・長文読解(55分)
5つの長文を読み、設問に答える。50問。
計115分、140問。休憩時間なしの一本勝負。かなり体力を使うことでしょう。
section1・section2は31~68点、section3は31~67点で算出(ここの算出式は残念ながら公表されていません)。最終スコアは、以下の計算式で出されます。
(ここの部分は、TOEFL ITP TEST 実戦問題集という本を参考にしました)
[section1~3のスコア合計]×10÷3
特徴としては、非常にアカデミック(大学的)な文章が出題されることが挙げられます(まあ、ほぼ留学用の試験なので、当たり前といえば当たり前なのですが)。なので、普段聞きなれない専門用語などがしょっちゅう出てきます。受験するときは、その部分をどうカバーできるかがカギとなるでしょう。
また、section毎に制限時間が設けられており、その時間内は指定されたsectionのみ解くことが許されています。言い換えると、すでに解いたsectionに戻ったり、まだ始まっていないsectionを勝手に始めたりすることはできないということです。これが曲者で、余裕こいて解いてると痛い目を見ることがあります・・・。
問題用紙に書き込み出来ないのも特徴の一つ。リスニングでもメモ取りできないので、そのことを意識して練習しましょう。
(2018/2/12 追記:どうやら、メモ取りが解禁されるような動きがあるようです。↓
https://www.cieej.or.jp/toefl/itp/pdf/2016policy.pdf
調べて対応する必要あり。)
リスニングの速度は、人にもよると思いますが日本人にとっては若干速め。こちらでサンプル問題が聞けます。↓
TOEFL ITP Assessments: Sample Test Questions
参考書を選ぶ際は、レビューなどを参考にし、なるべくリスニングの速度が本番に近いものを選ぶとよいでしょう。
注意点として、受験中の案内は全て英語音声で行われます。受験シートへの記入指示、各sectionの開始・終了指示、全て英語。慣れていないと面食らうことがあります。分かりやすい英語ですし、試験監督の方は日本人だと思うので、大丈夫だとは思いますが一応。
あと、先ほども書きましたがぶっ通しで約2時間なのでそこも注意。
受験してきた感想
難易度・出題傾向について
先述の通り、問題文はアカデミックなものが多くなっています。リスニングは大学で行われる会話や講義、長文読解は特定の分野(地理学、経済学など)についての文章が出題されます。なので、大学で使われる用語や専門の用語がわかるかどうかでかなり違ってくると思います。
各sectionの難易度は、個人的にはこんな感じ。
文法<長文読解<リスニング
文法は、出題のパターンがある程度限られています。特に、誤所指摘問題はポイントさえ掴んでいればパッと見で分かっちゃう問題が多い。なので、その手の参考書を一つやりこむだけで9割くらいは取れるかと思います。一番の稼ぎどころ。
長文読解は、難易度にバラつきがあるというか、解きやすさに差があります。専門的な文章なので、自分のバックグラウンドも解きやすさに多分に関係してくるでしょう。僕は経済について疎く、模試なんかでもその部分の長文読解だけ半分落としていたこともあります・・・笑。
また、同じ大問の中でも、問題文にそのまま答えがかいてあるような素直な問題もあれば、文章の書き手の意図をくみ取るような、日本語でも間違えそうな問題もあります。取れる問題はすべて取った上で、どれだけ追加で点を伸ばせるかが重要になるでしょう。
個人的に一番きつかったのがリスニング。一回しか聞けない上、メモ禁止。読み上げの速度も決して遅くはないので、何回もTOEFL形式の問題を解いて慣れておかないと痛い目をみると思います。というか痛い目見ました。
全体として、「大学で行われている会話or講義」だということが分かっていれば若干余裕を持って聞けると思います。出される話題は、「講義が難しい」「講義に遅刻した」「レポートについての相談」など、ある程度パターンが決まっているはずなので、それが分かれば答えも予想がつきやすいと思います。
PART AとPART Bは学生同士、もしくは学生対大学教職員での会話、PART Cは専門分野の講義となっています。
時間配分について
基本的に、見直している余裕はないとみていいと思います。順々に解いていって時間ちょうどかちょっと余るくらいかと。
文法問題には深く考えるような問題がないので、1問30秒くらいでパッパと解く。分からない問題は山勘で。最後に時間が余ったら自信のないところを見直す感じでいいと思います。一番やばいのは分からない問題に執着した挙句時間が足りなくなること。
長文読解は先述のとおり、大問によって読みやすさが違うことがあります。なので、スラスラいけるものは素早く解いて、以降の問題に時間の余裕を持たせるくらいの心持で行くと上手いこといくと思います。
この辺は、TOEFL形式の模試を繰り返し解くことで身に着けました。
まとめ
・TOEFLは留学用の英語試験。
・ITPは団体受験用の試験で、公式のスコアは出ない。が、英語力の測定には持って来い。
・リスニング、文法、長文読解の3section、約2時間。
・アカデミックな文章が中心。
スコアカードが返ってきたら改めて報告したいと思います。では。
(4/12 追記)
スコアカード帰ってきました。570点。正直、もう少し欲しかったところですが…まあまあ。
Structureが思ったより取れてなかったのが痛かったです。落ち着いて解けていればもう少し行けた気がします。まあ、配点が公表されてないので何とも言えませんが。
600点に達したらまた何か書くかも知れません。